司法書士は、登記の専門家というイメージが強いと思います。不動産登記、商業登記など、法務局での仕事を中心に取り扱っている先生方が多いです。法務局の周りには司法書士事務所がたくさんありますが、あの光景はまさに司法書士の仕事の中身を表しています。
ただ、昨今の過払い金バブルにおいて、司法書士は新たな業務分野を拡大してきました。司法書士と弁護士というのは、お互いの職域争いが常に繰り広げられる隣接業務ですが、過払い金請求の分野においては、司法書士でも取り扱える分野がかなり広く認められました。
特に、簡易裁判所での代理権制度の導入（当事者に代わって司法書士が裁判所で手続を進められること）は、それまで訴訟での業務を独占していた弁護士業界に大きな衝撃を与えました。司法書士と言えば書類仕事（登記手続をしっかりと漏れなく完成させること）というイメージから、司法書士が裁判所・法廷で活躍するという新しいイメージが浸透したのです。
ただし、司法書士の強みはあくまで登記の専門家という点ですから、過払い金バブルが去りつつある今、過払い金業務に重心を置いていた司法書士の先生方は、かなり苦しい時代に突入していると言えるでしょう。
